母からよく言われた言葉
子どもの頃、母からよく言われた言葉があります。「自分のことは自分でしなさい」。
自分でやると「えらいねぇ」と褒められました。両親ともに戦争を経験していて、兄弟も多く、貧しい時代を生きてきた。親もきっと、そう育てられてきたんだろうと思います。
その言葉には、感謝しています
大人になった今、その育て方には基本的に感謝しています。整理整頓や身の回りのことは得意だし、大学からの一人暮らしも楽しかった。あまり人に頼らず、どちらかと言えば助ける側で生きてこられたと思っています。
一つだけ、気づいたことがあります。いつのまにか、人を頼ることにちょっと苦手意識を持っていました。親が上手に人を頼る姿を、あまり見たことがなかったから。
自分がされて嫌だったことは、しない
小学生の時、親の強い勧めで剣道をやっていました。本当は野球がやりたかったのですが、肩を壊すからとか、兄もやっているからとか、説得されました。嫌でしたね。今でも当時のことを思い出します。
嫌なことを無理強いするのは良くない。それは身に沁みてわかっていました。
だから子どもには、やりたいことをさせてきました
娘が小さい頃、片付けや整理整頓を注意した時期はありました。娘の苦手分野です。親として肩の力が入っていましたね。ただ大きくなるにつれて、ありのままを受け入れるように変わっていきました。苦手なことは、得意な人を頼ればいい。親のエゴは押し付けない。塾や水泳も行きましたが、本人が行きたいと言うまで親が勧めることはしませんでした。一方で、好奇心旺盛な娘の「やりたい」は、時間やお金が許す限り何でもさせました。妻も同じ考え方だったのは幸いでした。
下の息子には最初からそうしています。自己主張を表に出さない性格で、やりたいと言ったことは「よほどやりたいこと」。娘と同様、とことん付き合うようにしています。LaQのコレクションも、レゴエデュケーションでロボットを作るのも、一緒にタイサンボクを買って植えたのも、毎年何度もぐるり森に遊びに行くのも、その延長線上にあります。
夜中の1時に、娘に言われた言葉
高校生の頃、夜中の1時まで娘と話し込んだことが何度かありました。その時に言われたのです。
「うちはなんでこんなに自由にやりたいことをさせてくれるの。行きたい学校にも行かせてくれて、ほんとに感謝してる。友だちと話してると、させてもらえない子も結構いるみたい」
うるっときそうでした。やってきたことは間違ってなかったかな、と思った瞬間でした。
「自分の人生だからな」
僕は、こう答えました。
「自分の人生だからな。結局、親はそれを応援することしかできないんだよ。だからそうしてるだけかな」
「自分のことは自分でしなさい」と育てられた僕が、たどり着いた言葉です。
